Harijan
1983年7月
旅行者がインドで必ず出会うものが二つある
ひとつは物売り
バザールを歩いていると50メートルに一人くらいの割合で物売りが寄ってくる
無視しても断っても大抵しつこく言い寄ってくる
「ノー」と言い慣れていない日本人は最初このインド人の洗礼にたじろぐ
もうひとつは物乞い
これも50メートルにひとり
訴えるような目で必死に金銭を求めてくる
最も心が痛むのが子供の物乞い
日本なら小学校に行くか行かないかくらいの少年や少女
手で僕の足に触り、次にその手を自分の頭に持っていく
「私はあなたのしもべです」と言わんばかりの行動に、最初は「やめてくれ」と目をそらしてしまう
そして僕は彼らに金を渡したかというと…
渡した時もあれば「NO! Go away!」と叫んで追っ払った時もあった
完全に無視することは不可能だし、かといって毎回金を渡すわけにもいかない
インドではあらゆることがあからさまだった
生も死も日常の中に平気にある
そしてそれらから目をそらして旅を続けることはできない
自分が試される場所だった
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by sakura1733
| 2011-06-27 20:38
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